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そうびできない!?
ジョンがマーダの神殿を訪ねてから1週間が過ぎた。ホイットニーとセーファスは相変わらず多くの迷える子羊の転職の面倒を見続ける。この日、サラという女性の転職の儀式をしていた。
「よし、サラ。お主は今日から薬師じゃ。はやく一人前になれるよう精進するがよい」
ホイットニーの言葉に対しサラは無言で深く一礼し、神殿をあとにした。
そのサラと入れ違いで、1人の男が脱兎の如く神殿に駆け込んで来る。
「あ!あの人は!」
セーファスは思わず叫んだ。
その男は、紛れもなくエドであった。
「お願いしますよ。何とかその……なりませんか?」
セーファスの元へ来るや否や困り果てた表情で頼み込むエド。だが、その顔を見たセーファスも困惑の色を隠せない。
「私に言われましても……権限があるのも施術をするのも大長老ですからねぇ」
「そこを何とか、取り計らってもらえませんか?この通りです」
エドはそう言って軽くセーファスに頭を下げる。
「しかし何があったんですか?もう一度勇者に戻りたいって……」
「いや、その……まぁ色々あるんですよ。ほら……」
言葉を濁しながら、エドは事の次第を少しずつ話し始めた。
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