そうびできない!?

1/3
前へ
/15ページ
次へ

そうびできない!?

 ジョンがマーダの神殿を訪ねてから1週間が過ぎた。ホイットニーとセーファスは相変わらず多くの迷える子羊の転職の面倒を見続ける。この日、サラという女性の転職の儀式をしていた。 「よし、サラ。お主は今日から薬師じゃ。はやく一人前になれるよう精進するがよい」  ホイットニーの言葉に対しサラは無言で深く一礼し、神殿をあとにした。  そのサラと入れ違いで、1人の男が脱兎の如く神殿に駆け込んで来る。 「あ!あの人は!」  セーファスは思わず叫んだ。  その男は、紛れもなくエドであった。 「お願いしますよ。何とかその……なりませんか?」  セーファスの元へ来るや否や困り果てた表情で頼み込むエド。だが、その顔を見たセーファスも困惑の色を隠せない。 「私に言われましても……権限があるのも施術をするのも大長老ですからねぇ」 「そこを何とか、取り計らってもらえませんか?この通りです」  エドはそう言って軽くセーファスに頭を下げる。 「しかし何があったんですか?もう一度勇者に戻りたいって……」 「いや、その……まぁ色々あるんですよ。ほら……」  言葉を濁しながら、エドは事の次第を少しずつ話し始めた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加