第1章 勇者爆誕

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この世界には正義と悪が存在する。 正義は悪を悪は正義を互いに敵対する対象とし、この世界は築かれてきた。 それは、ヒーローものでも同じ正義と悪は敵同士だ。 イシュバル国 ここは世界の中心の国であり、国王が国を守っている豊かな国だ。 「だりぃ~」 そう言いながら歩く男の名はギャシー・グロス今世紀最大の残虐事件を起こし、イシュバル国の国王の裁きを受けるため宮殿へと連れてこられたのだ。 「だりぃ~まだ着かないの?」 すると、グロスを取り押さえている兵が喋り始めた。 「もうすぐだ、静かにしろ!」 すると、グロスが悪態をつき始めた。 「だいたいさ~てめぇらがこんな意味のねぇどでかい宮殿(しろ)なんか作るから中々着かねぇんだろ?さっさと国王(ぶた)に会わせろって~の!」 するともう1人のグロスを抑えていた兵が剣を首元に当てて喋り始めた。 「貴様、静かにしろ…反逆とみなしここで始末してもいいんだぞ?」 兵がそう言うとグロスは剣など気にせずこういった。 「殺れるもんならやれよ、てめぇらが困るだけだろ?」 そう言われた兵は首元に当てた剣を鞘に収めた。 当然だろう、国王からの直々の伝達でグロスを殺さず連れて来ることが命令だったからだ。 「国王(ぶた)さんも何考えてんのか知らねぇーけどさぁーさぞイカレ野郎なんだろうなぁー」 そう言いながら宮殿の中へと歩いていき、大きな扉の前に着くと大きな扉がゆっくり開き、兵士達はグロスを連れて国王の御前へと連れて行った。 グロスの目の前には高い位置にある椅子に1人座る女が見えた。 それこそ、イシュバル国の国王イシュバル・レオナ女の国王だった。 予想外の国王のイメージにグロスは立ち上がった。 「なぁ~んだぁ~!国王ってイメージと違ったわぁ~ってか誰も知らねぇだろここの国の王が女だったなんてな…」 そう、必ず月に1度国王が国民に顔を出す日があるが、その時に現れた国王は男だった。
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