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すると、レオナは立ち上がり腰に手を当てながら言った。
「じゃあ始めるぞ!」
そう言うと、何も分からないグロスはレオナに聞いた。
「何を始めんだよ?」
すると、レオナは笑顔で答えた。
「勇者に必要な剣を取りに行くぞ!」
そう言いながら、レオナはグロスを隣の部屋へと案内した。
「剣って武器屋で買うんじゃねぇのかよ」
すると、レオナが目をキラキラ光らせグロスに言った。
「この剣は誰にも抜くことの出来ない剣だ。やはりこれに選ばれてこそ、勇者であろう」
そう目をキラキラ光らせながら言うレオナをみてグロスは苦笑いで言った。
「勇者って正義感の強い奴がなるやつだろ?死刑囚の俺が抜けるわけねぇだろ?ほんとに俺のこと知ってんのかよ…」
そうグチグチ言いながらグロスは剣に手をかけようとすると、レオナが言った。
「ちなみに言い伝えではそれは勇ましさなどで反応する剣ではないらしい…詳しくは分からんがな」
そうレオナが言うのを気にせず、グロスは剣を握りしめるとグロスの頭の中に声が聞こえた。
「我は全てを失う覚悟があるか?」
その問いかけにグロスは小さく答えた。
「俺はとっくに全てを失ってるから知らねぇ」
すると、また頭の中に声がした。
「我は血に染まる狂気があるか?」
その問いかけにグロスは答えた。
「死刑囚に何聞いてんだよ…もうとっくに血に染まってるわ」
すると、また頭の中に声がした。
「我は全てを捧げる勇気があるか?」
すると、何回も何回も聞いて来る声に腹が立ち、グロスは叫んだ。
「てめぇーちまちまうるせえんだよ!俺は勝手に話進めて偉そうにしてる奴が1番嫌いなんだよ!俺には俺のやり方があるんだよてめぇに指図されてたまるかよ!」
グロスの叫びと共に剣から赤い光が放たれると、その勢いで剣が抜けた。
すると、レオナがグロスに近づき言った。
「おめでとう、認められたみたいだな…今日からお前は勇者だ、ギャシー・グロス」
そう言ってグロスに握手をした。
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