19人が本棚に入れています
本棚に追加
レオナは勇者として認められたグロスを外まで送る事にした。
「勇者グロスよ、必要な物はこの丸い玉に入れて置いたから必要な時に手をかざすと出てくるだろう」
すると、グロスはレオナに聞いた。
「おぃおぃ出てきて大丈夫なのかよ…?国王(クソぶた)は国王(クソぶた)らしく玉座(おり)にいたほうがいいんじゃねぇのか?」
レオナは胸を張りながら言った。
「国王(クソぶた)は国王(クソぶた)らしく勇者(クソやろう)を見送るだけだ!」
グロスは背中を向けながら左手を無造作に振り、そして城から出てきた。
グロスは誰からも歓迎されることなく静かにイシュバル国王都を後にしようとした時、前からガタイのいい男が正面から歩いてきた。
グロスが避けて歩こうとすると、グロスの前へと立ち塞がった。
「てめぇ邪魔なんだよ!」
グロスが見上げながら下から睨みつけると、男はグロスに聞いた。
「貴殿が選ばれた勇者と言うものか?」
グロスは一旦後ろに引き、聞いた。
「なんでてめぇが知ってるんだ?」
すると、男は丁重に挨拶をした。
「私はアドナーレ・リップ・Ⅲ世、この世界を地獄に貶める魔王だ、以後お見知りおきを…」
その紹介にグロスは唖然とした。
「てめぇが魔王?」
最初のコメントを投稿しよう!