Bad Timing

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「千紗ちゃん、ごめんね」 主任の言葉を思い出してイライラしていたら、戻ってきたゆめに謝られた。 「なんでゆめがあたしに謝るの?」 「千紗ちゃんが主任に怒ってくれたって…主任が言ってたから。これからは控えるって」 ……本気なの? なんか信用出来ないのよね……。 「千紗ちゃん、本当ありがとうね!私書類作り直してくる!」 「あ、うん…」 ゆめは、確かに男の前ではビクビクしてるけど……そんなに弱いタイプじゃないと思うのよね。 仕事だって慣れないながら頑張ってるし。 ……私も頑張ろ!仕事仕事! 『お前は強くていいよな』 ふと頭の中で嫌な記憶が蘇る。 目を瞑り長くため息を吐いて、それを追い出そうとする。 その瞬間ーーーー パシッ 顔面に軽い衝撃。 目の前が真っ白。 「……は!?」 「この書類、オッケーだからハンコもらってきて」 白い紙の向こうに主任の顔が覗いて、紙で顔面を叩かれたのだと気付いた。 「なんで叩……ってあー!口紅付いて……!」 「大丈夫、こっちは要らない紙。セクシーなハンコ、貰っとくわ」 「ちょっと主任…!」 抗議の声も聞かずさっさと去っていく。 本当信じらんない!! ガキ過ぎるー!!
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