第3章 第3相談者

4/13
前へ
/83ページ
次へ
 佳世はリビングの大型TVでD―BOYSのデビューソロライブの録画映像を流しつつ夕食を作る。カウンターキッチンはそのためにある、と言ってもよかった。作った献立は    ○厚揚げにショウガのせ ○きゅうりのきゅう太郎漬物    ○豆腐の味噌汁  ○ご飯 以上である。  ちょうど愛華が帰ってきた。今年中2になったばかりだ。もともと愛華がD―BOYSを好きになったわけだが、学校や部活もあるので佳世ほどにのめりこむ時間がなかった。 「ママ、きょうのボーイズ、なんか面白いことあった?」愛華が訊いた。 「鳥取の女の子でジャージにRIKKUのサインもらった子がいるって」佳世は答えた。 「RIKKUか、なら、いいや。SHOUネタはないの?」 「今日はレッスン中、靴ひもがほどけたって夕方更新してたわよ」 「ふーん、今度のライブ、靴ひもガンミしとこ!」愛華は笑った。 「そうね、日曜日の高崎××パーク、朝5時出発よ」 「オーケー、あ、LINEの返事まだだ。おわったらご飯ね。」愛華は洗面所に向かった。       *  (おかしい、どうもおかしい、筋を見る目が鈍ったのか?)     
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加