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佳世はリビングの大型TVでD―BOYSのデビューソロライブの録画映像を流しつつ夕食を作る。カウンターキッチンはそのためにある、と言ってもよかった。作った献立は
○厚揚げにショウガのせ ○きゅうりのきゅう太郎漬物
○豆腐の味噌汁 ○ご飯
以上である。
ちょうど愛華が帰ってきた。今年中2になったばかりだ。もともと愛華がD―BOYSを好きになったわけだが、学校や部活もあるので佳世ほどにのめりこむ時間がなかった。
「ママ、きょうのボーイズ、なんか面白いことあった?」愛華が訊いた。
「鳥取の女の子でジャージにRIKKUのサインもらった子がいるって」佳世は答えた。
「RIKKUか、なら、いいや。SHOUネタはないの?」
「今日はレッスン中、靴ひもがほどけたって夕方更新してたわよ」
「ふーん、今度のライブ、靴ひもガンミしとこ!」愛華は笑った。
「そうね、日曜日の高崎××パーク、朝5時出発よ」
「オーケー、あ、LINEの返事まだだ。おわったらご飯ね。」愛華は洗面所に向かった。
*
(おかしい、どうもおかしい、筋を見る目が鈍ったのか?)
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