第3章 第3相談者

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「あれほど言ったじゃないか!もうパチンコはしませんって!話がちがうぞ、母さん、来てよ!」博志は大声でよし江を呼ぶ。愛華が2階から降りてきた。 「どうしたの、パパ、うわ、酒臭い! しかも煙草も臭い! 最悪、マジ勘弁!」 「うるさい! 勘弁されたい人から生まれたんだよ、おまえは! おばあちゃんは?」 「寝てるわよ」 「母さんは?」 「部屋でD―BOYS見てる、パパよりD―BOYSを愛してるって!」愛華が答えた。 無性に煙草が吸いたくなった。庭に出るしかない。薔薇を絡ませたパーゴラの下にあるディレクターズチェアに座って煙草の煙をいっぱいに吸い込んで、 「馬鹿野郎!」と叫んだ。意外とすっきりするもんだ。ついでに携帯に向かって 「馬鹿野郎!」と入れてみる。 検索した画面には『馬鹿野郎の意味とは』などが表示される。少しウケた。 しかし、一点、気になる文字が目に入った。 『発散堂』 博志は気になってサイトを開いてみた。 「あなたのいらいら、解決します!」「ボロボロになったあなた!今すぐコール」     ○即日お伺いして貴殿のイライラを解消して見せます!     ○お話を伺い、貴殿に合わせたストレス発散を提案させていただきます!     ○暴力・反社会的行為はできませんのでご了承ください。     ○明朗会計! スタッフ1名につき1回1万円から+交通費     
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