第3章 第3相談者

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    ○深夜も営業! 午後8時から午前5時まで           CALL US 090ー51××―09×× 画面のわきには健康サプリの広告やお見合い会社の広告が載っていたが、なぜだか興味をそそられた。 写真には丸めた畳を日本刀で斜めに切っている女性が何かを叫んでいるショットだ。 博志はこんな技、何年修業したって出来るもんじゃない、とは思ったが、『発散』の仕方がなんとなくイメージで来たので、電話してみることにした。     * 「はい、皆様のイライラ解決!発散堂でございます!ハッサン24、24時間受付中です!」 博志はルパン三世のような声に少しイラッときたが、思い切って話してみた。 「滝川様、お気持ちお察しいたします。ぜひそのいらいらを解消していただきたい」御手洗はそう言った。 「うーん、僕は日本刀なんてできないし、なにが人気なの?」博志は訊いた。 「今人気なのは新宿××ビルの屋上で巨大スピーカー叫び15分ですかね。お値段もお手頃ですし。」 「いくら?」 「1名で済みますので1万円です。」御手洗は言った。 「うーん、なるほど。」博志は意外に安いことに驚いた。 「あのさ、俺、いま眩暈(めまい)がするほど打ちひしがれてんのよ、なんかいいアイデアない?」     
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