第3章 第3相談者

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「わかりました。では、お客様、失礼、滝川様は、何か御趣味や特技はありますか?」 「昔バイク乗ってたんだけど、いまは手放しちゃったな・・・」博志は寂しそうに言った。 「お!それはいい情報ですね、今日は10人のスタッフを半額5万円でサービスしましょう、スペシャルコースでご用意いたします」 御手洗は計画の内容を伝えた。博志は唾をごくりと飲んで「よし、それでいこう」 と御手洗に言った。 「では、作戦決行は午前1時に近藤様のお宅のまえに集合ということで」 「わかりました」 「それと、滝川様。発散後の対応、処置、謝罪は当社では全く関知いたしませんのでそれだけはその場でご了承のサインをいただきます。よろしくお願いします。」     * 救急車のサイレンがかすかに聞こえた、と思ったらそうではない。バイクの爆音になって近づいてくる。地鳴りがするほどのバイク音だ。 博志は庭で赤ワインの瓶をがぶ飲みして、 「おりゃー!」と叫び瓶をリビングルームの窓に叩きつけた。ガッシャーンと割れたそのときにバイク爆走族は滝川家の前に集結した。 「では、滝川様、サインを一筆」「了解!」 パパリパラリラパラリラリー 10台のバイクが映画『ゴッドファーザー』愛のテーマをクラクションで奏でる。     
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