第4章 第4相談者

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「あのう・・・怒りがいっぱいで・・・その・・・どうしたらいいか・・・」 よくある電話だ。とくに女子の場合に多い。半分訝しいと思って電話してくる。 「はい、お電話ありがとうございます、初めてですね、ではお名前からどうぞ、仮名でもかまいませんよ」   亜季は事の顛末をざっくりと話した。  「リュリュママ様、それは全くかける言葉もございません。お気の毒です。ぜひ当社のサービスですっきりしていただきたいものです」御手洗は悔しそうな口調で言う。  「斎藤隆よ、斎藤。今すぐ見つけてほしいわ」 「リュリュママ様、誠に申し上げにくいのですが、当社は探偵業務はおこなっておりませんもので、その件についてはしっかり警察に通報された方がよいかと・・・」 「わかったわよ、んで発散するなら何をしてくれるわけ?」亜季は訊いた。 「それはもうお望み通りに」 「んもーわかんないわよ、怒りを鎮めてちょうだい。」 「では御趣味や特技はありますか?」 「ワンコを飼うこと! あとはデッサンやデザインなら得意よ」 「うわ!リュリュママ様それはもう良いご提案ができますよ!」御手洗は持ち前の引き出しの多さから瞬時にアイデアを亜季に伝えた。 「・・・いいわ、それならすっきりするかも」亜季は了承した。     
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