第4章 第4相談者

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「決行時間です。では、始めましょうか」菜月はできた指名手配イラストを数百枚を亜季に渡した。まずは新宿××ビル屋上。 「リュリュママ様、好きなようにお叫びください」 「斎藤の馬―鹿―野―郎―――――!」白い紙が新宿の淡く明るい夜空に大量に舞った。 「では、今度は移動します」菜月はビルの下にあるワゴン車に亜季を乗せる。 多摩川沿いの道路でワゴン車を走らせながら亜季は指名手配イラストを窓からパラパラと捲(ま)いていく。ワゴン車は選挙でも使えるスピーカーつきである。 「男なんて絶滅しちゃえ!」「人間のくず!」「もう人間なんて信じない!」亜季は叫ぶ。 菜月はカーステレオの音量を最大にした。曲はDavid Sanborn の Love & Happiness  菜月は微笑みながらもっと叫べとジェスチャーした。本日1件目、3万3500円なり。
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