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思いの外散歩に時間を使ってしまい、部屋に戻った時には、もうすでに夕食の時間になっていた。
温泉は食後に入ることにして、先に山の幸いっぱいのご馳走に舌鼓をうつ。その料理のボリュームには驚きもしたのだけど、その美味しさと楽しい雰囲気のおかげで、結局全部食べてしまった。これには二人して「すごいねー」と苦笑した。
その旅館には大きな露天風呂があった。
仁はそれが混浴でないことに冗談で不満を口にしていたけれど、わたしは心底ほっとしていた。混浴は勘弁だ。仁と一緒にお風呂に入るとか、考えただけでものぼせそうだし。
温泉にそんな緊張感はいらない。ゆっくりのんびり浸かるのが一番いい。……どこの年寄りだって感じだけど。
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