55人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
「あー旨かった」
「安心するよね。安定の味。間違いない」
ごちそうさま、と代金のお礼を言いながら、中華の感想と共に橋を渡る。
空は薄ぼんやりと曇っていて、吐く息が白い。
「俺もう帰るけど、うち寄って嫁に挨拶していく?」
「んー。……いいや。よろしく言っておいてよ」
祥太郎が嫁さんに会わせようとするなんて珍しいな、とは少し思ったが、わざわざ会いに行く理由も見つからなかったので無難に断った。
祥太郎は特に感情も込めずに「わかった」とだけ呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!