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3.彼氏とデート
さらに中心街から離れるようにして3駅、そこからまた乗り換えて4駅。
隣県との境に近い駅で、悠資と待ち合わせている。
決して繁華街ではないこの街で買い物デートの待ち合わせをしたのは、あたし好みの個人経営の輸入雑貨店があるからで、月に一度は掘り出し物を探してやってくるのだ。
中でも先々月購入したLEDキャンドルはとても気に入っていて、あたしの部屋をいつもご機嫌に照らしてくれている。
悠資はあたしよりも4歳年下だが、職歴ばかり豊富だ。
要するに堪え性のない若者だということだ。
だから収入も当然あたしの方が多く、デートはいつも割り勘かあたしの奢りだが、そんなことは些細なことで、悠資のその無頓着さがあたしを自由にさせてくれていることの方がよっぽど大事だ。
あたしに日常の変化を求めるような男とは一緒にいたくない。
誰とお酒を飲みに行っても、友達と旅行に行って数日間連絡が取れなくなっても、悠資は何も言ってこない。
それでいて、2人で居るときにはそれなりに甘ったるい空気にしてくれるし、デートのプランなんかはあたしを喜ばせようとアイディアを絞り出してくれる。
それをあたしは嬉しいと思い、あたしが何を優先にして、何を大切にしているのかを理解してくれていると感じるのだ。
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