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時間は進み、時計の針は仲良く天辺を目指している。
「泊まる所はこれから探す」なんて暢気なことを言っている波多野を、祥太郎は「都会の週末なめんな」なんて笑い混じりになじりながらさっさと次の店を探し始め、待ってましたとばかりに登場した、朝までやっているチェーンの居酒屋のキャッチのおにーさんと何やら交渉をし、言われるがままその居酒屋に移動した。
そこでも酒は進み、誰も時間なんて気にしなくなった頃には、みんなグダグダに酔っ払っていた。
それでも波多野はジョッキを手放さず、一方でなっちはテーブルに体を預けきって脱力している。
丸川は、目を閉じたまま動かないので、眠ってしまっているのかもしれない。
祥太郎はあたしにしな垂れかかりながら、チビチビと冷酒を飲んでいる。
あたしも似たような状態かも知れないが、自分ではよくわからない。
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