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祥太郎は中学生の時の同級生で、それ以来の付き合いだから、かれこれもう15年くらい一緒にいる。
カテゴライズするのであれば、“地元の腐れ縁”か“親友”だ。
先程『やっぱり好きなんだと思った』のはそういう意味で、彼は男性であたしは女だが、一切そういった意味合いはない。
その証拠に……というわけではないが、祥太郎にはさっきも言った通りに奥さんがいるし、あたしにも彼氏がいる。
そんな二人が夜のホームで腕を組んで、大きな警笛を鳴らしながら滑り込んでくる電車に乗り込むことは、とても愉快で、心地良い酔いを一層体に巡らせてくれる。
電車の揺れが、気分良く回ったお酒に心地良い。
先に降りた先程のスーツ男が、降りざまにこちらを振り向いたのを確認して、二人で大笑いした。
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