4.大学時代の友達

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 祥太郎と恋人の真似事をしたことがないわけではなかった。  恋に恋するような中高生の時分のことだ。  ところが十六歳の、とある日。  子供の二人が背伸びをして、祥太郎の部屋で初めてお酒を飲んで。  初めての夢見心地の中、祥太郎は長いキスをしてきた。  私はそれを目を閉じて、甘んじて受け入れた。  するとエスカレートした祥太郎は、第2ボタンまで開けていたブラウスの胸元へと手を滑り込ませてきた。  まぁそういうことになるよな、なんてどこか冷静に思っていたはずのあたしは──。  その瞬間に、大笑いしてしまった。  なんだか非常に滑稽に思えた。  祥太郎は、そんなあたしに一瞬ビックリして、胸元から素早くその手を抜いた。  そんな様子に、ますます笑いが止まらない。 「そうだよなー」  なんて笑って誤魔化した祥太郎の股間は、制服のズボンの上からでもハッキリとわかるくらい屹立していた。  ──そして誤魔化しようがない程、動揺していた。  それからは体を触られるどころか、冗談交じりのキスすらなくなって、あたし達は本当の意味での友達となった。  思えばあの時、祥太郎は傷ついたのかも知れないとしばらくして気付いたのだが、結果これでよかったのだと思っている。
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