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6.灰色の雲
──それからしばらく。
あたしはベッドの上で悶々と過ごした。
悠資の言い放った言葉はその実ちっとも図星ではなかったし、悠資があたしを彼女としてどう見ているかなんてずっと知っていた。
しかし、悠資があたしと祥太郎との距離みたいなものを勝手に測っていたなんて思いもよらず、しかも、悠資の中でのあたしは、それについて揶揄されるような立場にあったということが、ひたすらに腹立たしかった。
ふと、誰かに抱かれたい、と思った。
何も考えずに、身を委ねたいと。
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