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藤枝と初めて話したのは、3年生で同じクラスになる前のことだった。
小学校からの帰り道、僕はわざと遠回りをして田んぼの畦道を通るのが好きだった。
僕の家と同じ方面に帰る友達がおらず、帰りはいつも一人だったが、畦道には木の枝や大きな石、蜻蛉や蛙など暇を潰せるものがたくさんあった。
その日は、俯いて歩きながら、視界に入ってきた雑草を手に持った木の枝で叩いていくという一人遊びをしていた。僕はそれを雑草ゲームと名付けていた。
雑草を叩く度に1点のスコアが加算される。この畦道を抜けるまでに今日は何点稼ぐ事ができるだろうか。
順調にスコアを稼いでいき、自己最高点の更新も見えてきた時、視界に真っ赤なものが入ってきた。
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