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柔らかな笑みを浮かべると引き寄せられ、腕の中に囚われる。
ドキドキと鼓動が駆け足になり、全身が熱くなった。
「身体、平気か?」
「…大丈夫」
「………悪かった、年甲斐もなく少しがっついたかもしれない」
めくれた前髪から覗く額に優しく口付けられて愛斗はジンと胸が熱くなるのを感じた。
夢みたいだ。
抱かれた翌日もこんな風に優しくされて、甘やかされるなんて。
「そんな事ない。き………気持ちよかったから……」
真っ赤になりながらそう言うと、更にきつく抱きしめられた。
未だ二人とも素肌のままだから、触れあうと自然と互いの熱を感じてしまう。
昨夜の名残を残したままの肉体はそんな触れ合いでさえも簡単に発情してしまい、愛斗は何とか昂りを静めようと息を吐いた。
「そんなかわいい事言われるとまたしたくなるだろ」
密着した下半身で芯を持ちはじめた雪生の昂りが愛斗の腹を擦ってくる。
あからさまな情欲への誘いに愛斗の身体も一気に熱を帯びた。
昨夜もあんなに淫らに腰を振って何度も交わったのに、足りないなんておかしいだろうか。
逞しい胸板から顔を上げると既に蕩けはじめた顔で雪生を見上げる。
雪生は優しげな瞳を愛斗に向けていたが、すぐにその眼差しを鋭くさせた。
「俺はもう止まらない。意味がわかるな?」
雪生の言わんとする事を理解した愛斗は照れながらもしっかりと頷いた。
「昨日も言ったが俺はお前が思っているような人間じゃないし、立派な大人でもない。セックスだって一筋縄じゃいかないような事も沢山するし、お前に酷い事もするかもしれない。それでもいいか?」
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