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「あ~すっきりした。愛斗も気持ち良かったろ?」 「…あ……うん…」 「じゃあ俺もう寝るから。明日起こせよ」 手早く自分の後始末を済ませると、五十嵐はベッドへと潜り込んでしまった。 数分も経たないうちに寝息が聞こえはじめる。 ようやくそこで愛斗の緊張の糸がきれた。 深く溜め息をつくと、中に出されたものを自分で掻き出していく。 五十嵐が床に投げ捨てたティッシュをゴミ箱に放り込むと、愛斗もベッドに潜り込んだ。 身体の疼きを静めるように背中を丸める。 五十嵐とのセックスはいつもこうだ。 一方的で愛斗が肉体的な快感を感じた事はない。 でも愛斗は見ないふりをする。 セックスだけが全てじゃない。 恋人同士だからといって、みながみな身体の相性がいいというわけじゃないから、と言い聞かせて。 そうやって三年間、五十嵐と付き合ってきたのだ。 今更彼から別れを告げられてまた一人ぼっちになってしまうのは嫌だ。 そうされるくらいなら自分が我慢すればいいのだ。 今日も何とか自分を宥めると、愛斗はそっと眼を閉じた。
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