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「……はぁ?!い…イヤだよそんなの」
その日、恋人の口から聞かされた提案にはさすがの愛斗も抵抗せざるをえなかった。
「いいだろ?俺たちもいい加減マンネリ化してきてるし。刺激がほしい時期じゃね?」
軽い口調でそう言うと、五十嵐はスマホをいじりだす。
「………だって…そんな知らない人となんて…」
まるで何でもない事のようにさらりと言ってのけられたが、五十嵐の提案は決してノーマルなものではなかった。
今度の金曜日、五十嵐の友だちの知り合いが主催するちょっとしたパーティーがあるらしい。
そのパーティーは表向きは普通のパーティーだが、その本当の目的は複数のカップルが互いのパートナーを取り替えて性行為を楽しむ、というものだった。
スワッピングというらしいが、つまりは乱交パーティーの事だろう。
まさかそんなものに誘われるとは思ってもみなかった愛斗は言葉を失うばかりだ。
「大丈夫だって。お前、まあまあ顔はいいし。きっと入れ食いだぜ」
五十嵐が下卑た笑みを浮かべながら愛斗を見てくる。
「そういう、意味じゃなくて……」
五十嵐は他の誰かと俺がセックスしても何とも思わないの?
普通、恋人が目の前で他の誰かとセックスしていたら腸が煮えくり返るような気持ちにならないだろうか?
普通はそういうものじゃないのだろうか?
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