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橋目志津子(ハシメシズコ)
五十歳。とうとう人生の半分を過ぎた。
もうあとは老いて逝くだけなのかしら。
そんなことを思っていた。
旦那、橋目幸男(ハシメユキオ)60歳が声をかける。
「おい。お前、お茶。」
いつから私は名前が無くなったのでしょう。
「はい。ただ今。」
しかし、専業主婦という役職を結婚してから30年続けられたのも、旦那のおかげだ。
「お茶っぱ変えておけよ。」
「…はい。あなた。」
まだ、でるのに…勿体無い。
公務員だった幸男が定年退職をして一緒にいる日々が増えた。
志津子は、少しうざったく思っていた。
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