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ああ。これが世間で言う家庭内別居というやつですね。
そんなことを思っていた。
幸男は仕事を辞めてから変わってしまった。
何もせずに一日を過ごす事もあった。
そしてある日言った。
「飯はまだか」
…数時間前食べたばかりだ。
「…あなた、ご飯は食べましたよ?お腹が空きましたか?」
「…あ、ああ。そうだったな。すまない。」
志津子は直ぐにピンときた。
「あなた、病院へ行きましょうか。」
「…。」
物忘れではない。
認知症。
やっぱり…と思った。
「認知症は、一般的に治らないと言われています。
脳の活性化を促すお薬だしておきますね。」
「はい。先生ありがとうございます。」
ぺこりと頭を下げて診察室を出た。
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