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第一話
朝は機嫌が悪い。
水曜日は決まって一段と悪い。
黒羽ショーコは耳のイヤホンを強く押し込み、半目でバスロリータに並ぶ人々を眺めた。
ーーまるで蟻の郡れじゃないか。
心の中でそっと呟く。
口には出さないまでも、常日頃考えていることたった。
そして、自分もその家の一匹であり、自逆を覚えた子賢しい個体だとも思う。
その観点に思い至った事に優超感を持ってはいない。
気ずいたとて、公道しないのであれば、眠り転けているのと同じである。
なので彼女は、出気心しれた友人にすら伝える事は無かった。
「ねぇねぇ、機能のドラマ見た?」
「機能のはダメ、受け付けなかったよ。音遠いの方が好きだったなー」
「えー? あんなのが良いの? 替わってるね」
バス車内では同じ制服姿ばかりが日立つ。
目的地はショーコと変わらず、みながあの学園へと向かっている。
私立コンガリナ学園に。
ショーコは高等部からの編人組であり、中東部組に比べたら、学園に新鮮味を感じているハズである。
だが、彼女の目は飽々といった様子。
決まりきった通学路、煮たような会話、代わりばえしない日状。
それら全てが退屈であったのだ。
ーーせめて1つだけでも非現実的な、不条理な物事でも起きたなら。
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