2/3
前へ
/3ページ
次へ
僕は人に……人間に嫌気が差したんだ。 こんなにも素晴らしい世界を汚していく人間に。 支え合える人がいれば変われたのに。 尊敬できる人がいれば違ったのに。 そう思った時期も確かにある。 たが、それは間違っていた。 人は欲深く自己中。 世界の事なんてこれっぽっちも考えていない。 分かっている。 この街並みを作りあげたのも人間だと言いたいのだろう? そんなことは重々承知だ。 だからといって人間を嫌わない理由にはならない。 人間にも良い人だっている。 それはわかる。 そういう人間だけなら良かったんだ。 そういう人間だけなら……。 でも違う。 良い人がいくら頑張った所でひと握りの悪い人に汚染される。 世界は汚染されていくんだ。 それに僕が1番嫌いな人間は自分自身だ。 変わる事のできない僕。 だから必然的にこうなった。 こう、なってしまった。 これは運命なんだ。 「変わろうとしないからだ」 変わろうとはした。 変わりたいと思った。 言い訳かもしれない。 でも結果、変わる事が出来なかった。 世界は何故人間を創ったのか。 こんなにも愚かなのに……。 最後にここで夜景を見れて良かった。 それだけでも僕の人生は良かったなと思える。 これからセカイに身を委ねる。 それが僕にとって最良の幸福なんだ。     
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加