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僕は人に……人間に嫌気が差したんだ。
こんなにも素晴らしい世界を汚していく人間に。
支え合える人がいれば変われたのに。
尊敬できる人がいれば違ったのに。
そう思った時期も確かにある。
たが、それは間違っていた。
人は欲深く自己中。
世界の事なんてこれっぽっちも考えていない。
分かっている。
この街並みを作りあげたのも人間だと言いたいのだろう?
そんなことは重々承知だ。
だからといって人間を嫌わない理由にはならない。
人間にも良い人だっている。
それはわかる。
そういう人間だけなら良かったんだ。
そういう人間だけなら……。
でも違う。
良い人がいくら頑張った所でひと握りの悪い人に汚染される。
世界は汚染されていくんだ。
それに僕が1番嫌いな人間は自分自身だ。
変わる事のできない僕。
だから必然的にこうなった。
こう、なってしまった。
これは運命なんだ。
「変わろうとしないからだ」
変わろうとはした。
変わりたいと思った。
言い訳かもしれない。
でも結果、変わる事が出来なかった。
世界は何故人間を創ったのか。
こんなにも愚かなのに……。
最後にここで夜景を見れて良かった。
それだけでも僕の人生は良かったなと思える。
これからセカイに身を委ねる。
それが僕にとって最良の幸福なんだ。
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