糸川初美と丹羽修平

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※ 「○番線に、電車が参ります」 「白線の内側まで下がってお待ち下さい」 実里ちゃん。 ごめんね。 両の手で体を抱き締める。 あの男の臭いが染み付いた体。 もうきっと、あなたの元に帰ることは許されない、私の体。 ここに来るまでに決めていたの。 最後に口にするのはあなたの名前がいい。 「さよなら」 「みさとちゃん」 私の憎しみや怒りや痛みは、全てあの(丹羽修平)に。 私の喜びや愛しさや笑顔は、全て織部実里に。 「大好きだよ」 届いて欲しい。 ゆっくりと瞳を閉じる。 実里ちゃんが私の名前を呼んでいる。 良い夢が、見られそうだ。
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