1 出会い

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どんな人が来たんだろう? 僕は興味津々で足を止めていた。 するとトラックの陰から、同い年くらいの女の子が小荷物を持って姿を見せた。 僕は彼女と目が合い、ドキッとした。 か、可愛い… それが僕の、彼女に対する第一印象だった。 彼女は肩まで伸びた髪を揺らしながら、にこっと笑い頭を下げた。 「ど、どうも…」 僕は気の利いた事も言えず、待ちくたびれたペスに引っ張られてその場から離れた。 「名前だけでも聞いときゃ良かった…」 まあ、お隣さんなんだし、いつでも聞けるか。 などと思いながらも、散歩中ずっと彼女の事を気にかけていた。 そして散歩から戻ると、トラックはもう居なかった。 隣の家を横目に、玄関に入ってペスを裏庭に繋いだ。 「ねえ母さん、隣の家引っ越して来たみたいだよ」と僕は言いながら、冷蔵庫からペットボトルを取り出した。 「ああ、さっき挨拶に来られたわよ」と夕飯の支度をしている母親が、さらっと言った。 「え?うそ?もう来たの」僕は咄嗟に振り返った。 「どんな人だった?」と僕が焦った様子を見て、母親は、ははんっとにやけた。 「あんたの目当ては女の子ね?」 母親は僕の本心を、ズバリと言い当てた。
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