2 河川敷にて

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僕は少し緊張しながら、ゆっくり石垣の方へ歩いて行った。 彼女は、河岸の反対側に沈む夕陽を眺めていた。 「こんにちは」僕はそっと声をかけた。 横顔の彼女はなんだか憂いが見えて、とても綺麗だった。 「あら?こんにちは。二度目ね」と彼女は笑いかけてくれた。 良かった、覚えていてくれたんだ。 「あの、自己紹介まだしてないよね。僕は久保 公彦。よ、よろしく」 そして彼女は「公彦君ね。私は三好 里香、ただいま17歳」と教えてくれた後「公彦君て、歌が上手いんだね」と言ってきた。 「え?聞こえてたの?」僕は顔から火が出るくらい、恥ずかしかった。 でもそんな事、言われたのは初めてだ。 「ねえ、これは何ていう歌なの?」と里香は、そのフレーズを口ずさんだ。
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