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私はいつもの様に、病院のベッドで目覚めた。
なにかの検査をし、不味い病院食を食べるのもそこそこに、腕時計をして私は中庭へ行った。
時刻は午前八時。十時までまだ二時間ある。
朝の冷たい空気が私は好きだが、夏なのでもう暑い。だが、人があまりいないので居心地がいい。
私は一度伸びをしてまた病室に戻った。
なんとなくねむかったので一眠りする。
目覚めたら、もう十時を少し過ぎていた。
急いで起きて階段を下る。
中庭に着くと、やはり息が切れてしまったが、君は昨日と同じ場所にいた。
「あの...」
なんと声をかけていいか分からず、昨日名前を聞いたのに、初対面の時と対して変わらない声になってしまった。
だが、君は振り向き、笑顔で「おはよう」と言ってくれた。
君はやはり絵を描いていた。昨日の“サクラ”の続きの様だ。
「そのサクラ、まだ完成してないの?」
私にはそう見えた。
「うん...まだまだ、未完成」
君は悲しそうに言った。何故悲しそうなのかは、私にはわからない。
「あ、そうだ。ちょっと、売店に行かない?」
「良いよ。じゃあ、車椅子、押すね」
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