プロローグ

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 馬車に揺られて数時間、遂に王都に到着した。 「うわぁ~、綺麗なお店がいっぱいある。」 「土じゃなくて石畳だぜっ! すげぇゴツゴツしてるっ!」 「あれがお城なのね、お姫様とか王子様とかいるんだね。」  皆、お祭り気分でテンションが高い。  俺も口には出してないけど凄くテンションが高い。  周りをキョロキョロ見回してしまう。 「さぁ、教会に着いたぞ。俺は外で待ってるからな。」  スキルが貰える教会の中は既に若者達が来ていた。  俺達だけじゃないんだな、て改めて思う。  そこへ司祭がやって来た。 「皆さん、まずは成人おめでとうございます。あなた方はこれから一人の大人として生きていく訳ですが、その為に必要なスキルをこれから与えます。あなた方の潜在力の中から3つのスキルを提示して、その中から選んでもらいます。中には希望のスキルが与えられない事もあるかもしれません。ですが絶望してはいけません。スキルとはあくまで生活に必要な物であり人生を決定する物ではありません。スキルで差別してもいけません。幸せとは人それぞれに違う物なのです。」  司祭様の話はこの時の俺にはピンと来なかった。  まぁ、すぐにわかるんだけど。  そしてスキル贈呈の儀式が始まった。
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