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「金平糖、食べる?」
二人きりの雪の上で、その瞳が私を映す。
「・・・食べる」
焼き付けるように、消えないように、私たちはただ見つめ合った。
それから唇にその冷たい指先が触れて、甘い刺激が広がった後、
サヨナラの代わりに、私たちはキスをした。
忘れないように。消えないように。
許されない想いを伝えたくて、雪に隠れてキスをした。
“花純ちゃん、大きくなったら結婚しようね”
遠い記憶の中で、私は嬉しそうに頷いた。
それから父と母が幸せそうに、笑った気がした。
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