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祖父が死んでから、青は親戚の叔父さんの家に引き取られた。
今でも眠っている母の弟にあたる人だった。
「ねえちゃんも寝たきりで親父も居なくなるなんて。お前ほんとにつらかったなぁ。俺にできることって限られてるかもしんないけど、お前が来てくれたらうちの母ちゃんも息子もきっと喜ぶから、うちに来い!」
叔父さんはとても陽気な人だった。
母も意識があった頃は、こんな風に明るい人だったのかなと青は思った。
叔父さんには正明と言う、青と同い年のひとり息子がいた。正明は青の髪や瞳がとても好きだった。
「これから毎日青と学校に行けるの!?やったー!」
正明は大はしゃぎで青に笑いかけた。青もそんな正明を見ると嬉しかった。正明と青は同じ部屋で眠った。よくふたりで夜更かしをしていろいろな話しをしたりした。
「僕は正明のような星を知っているよ」
ある日の夜、青が突然そんなことを言い出した。
「僕のような星?」
「そうだよ。とても大きいんだ。大きくて暖かい。
そしてとても優しいんだよ。いつも僕らばかりが見返りのない大切なものをたくさんもらうんだ。」
「それっていったいどんなもの?」
正明は睡魔におそわれながら、青の話の先がとても気になったので、瞼を必死に持ち上げて言った。
青はうつ伏せの上半身を起こした状態で、枕元のオレンジ色に光る電球を見つめて言った。
「光だよ」
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