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東名高速を進んで、
海老名サービスエリアで一旦止まり、
ホットコーヒーを二つ買い
車中でそれを飲みながら
どこへ向かうか話していた。
「もう結構遅いし、箱根にするか。」
「ベタですね。」
「正直どこだっていいんだけど、
なんか目的地あったほうがいいだろ?」
「随分ロマンチストですね。」
そう沙織が言うと、
蒼弥は沙織のほおを親指と人差し指で掴み
「お前こそ随分生意気になったな。」
とわざと怒ったように言い、
顔を近づけ、唇をゆっくりと重ねた。
この瞬間を二人は待っていた。
サービスエリアで止まった理由なんて、
本当は飲み物でもなんでもなく、
ただキスがしたかった。
何度も何度も
軽く淡い優しいキスを繰り返す。
唇が少し離れるたびに溢れる吐息が
視線と共に交わる。
互いの熱を確認し合うと、
目を瞑り
今度は舌を絡ませる。
じっくりと味わうように。丁寧に。
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