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しかし
それは紛れもなく
風間蒼弥だった。
緩めのパーマがかかったマッシュベースのツーブロック。
前髪がかかる目蓋の先についた長く太い睫毛、
その下にあるヘーゼル色の瞳。
日本人離れした美しいフェイスライン。
灰色と白のボーダーのTシャツと、
黄色のアンクルパンツがよく似合う
180cmの長身で引き締まった体格。
寒さをしのぐために羽織っているタオルでさえ、
決まって見えるほどの「なんでも似合う」プロポーションだ。
沙織の記憶の中にある
蒼弥の風貌と取り巻く空気が
10年経っても変わっていなくて
当時と同じテンポの鼓動を胸の中で蘇える。
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