第14章:敏腕弁護士の恋

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麗華は、良平に4回ほど会ったことがあった。 一番最初こそ 蒼弥の紹介で会ったが、 その他はいつも夜の港区。 独身で付き合いの幅の広い良平は 普段から夜の街に繰り出すことが多いく、 麗華は、インスタのネタのためにも 煌びやかな女子会を開催することがよくあった。 港区にはたくさんの店があるとは言え インスタ映えしたり、上流階級の人たちの話題になるところは 限られていて、 よく場所かぶりすることがあった。 けれどレストランやバーなどで会っても 友達なわけではないので、 交わす会話は挨拶程度だった。 しかし、 つい半年ほど前に 麗華がモデル仲間と おしゃれなバーで女子会をしている時で、 ちょうど良平も弁護士仲間と来ていて 隣の席になることがあった。 良平が麗華を見つけて いつものように軽く挨拶すると、 良平の仲間たちは ここぞとばかりに 「一緒に飲もうよ。」 と麗華たちを誘い、 2グループで一緒に飲むことになった。 麗華のモデル仲間たちは 港区男子に燃えていたが、 麗華は唯一の既婚者なこともあってか 男性陣にはあまり興味がなさそうで ひたすらスマホをいじり、 合コン状態になる前に 女子だけで撮った集合写真を加工していた。 「すごい美人集団。インスタに載せるの?」 良平が麗華の隣に座り 麗華のスマホを覗きながら聞くと 「ええ、まぁ。」 と感情ゼロの冷めた様子。 普通の人だったらそんな態度を取られたら 心が折れてしまいそうだが 鉄メンタルの良平は気にせず、話しかけた。 「俺、麗華ちゃんのSNSフォローしてるよ。 この間YouTubeも始めてたよね。 チャンネル登録しちゃったよ。」 「え?!そうなんですか?」 麗華はやっと良平の顔を見た。 「インスタのフォロワーなんて 10万人もいるんでしょ。すごいよ。」 「そんなことないです。まだまだです。」 麗華との会話で良平は、 麗華と蒼弥は似た者同士だと感じとっていた。 周りにいい顔をしながら、 結局自分の欲望にしか興味がなく それを満たしてくれるものに怖いほど執着している。 だから、二人は合わないんだろうな、と思った。 それぞれの欲は互いで満たせるものではない。
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