第15章:幸せに近づく

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沙織も慌てて、 蒼弥の後に付いていく。 蒼弥は紳士靴を靴べらを使って履き終え、 背後にいる沙織の方を振り向いた。 「何?いってらっしゃいのキス?」 蒼弥はわざと面倒臭そうに言った。 「え?」 「ほら。」 そう言い、沙織の背丈まで屈んだ。 沙織は口にあったハムの欠片を飲み込みキスをした。 「めっちゃハムの味した。」 「あ、ごめんなさい。」 「美味しかったよ。ごちそうさま。」 蒼弥は 沙織の頬に触れ 愛しそうに沙織の顔を眺めると、 名残惜しさを見せ、家を出た。
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