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その後沙織も出勤した。
オフィスにつくと、
内田が今週いっぱい休みを取っていることを知った。
最近のとくに若い子たちは
憧れで出版社に入る子が多いが、
多忙さに耐えられなくなり離職者が多い。
そんなこともあり、
ただでさえ人手が足りないのに、
内田の仕事がほぼ沙織に回ってくるはめに。
今日はまず
土曜日に撮影したメンズファッションの写真を
セレクトしなければならない。
フォトグラファーから送られてきた写真を一枚一枚選別する。
その中には蒼弥の写真もあった。
自分が選んだ服を着る蒼弥を見ると
すごく不思議な気分になる。
今一番近くにいるはずなのに、
何度見ても見慣れないほどの美しい姿に
実は全てが夢なのかとすら思う。
10年前考えもしないようなことが
今起きている奇跡。
それに甘んじていいのか、
沙織は自問していた。
ぐずぐずしていたら またいつ自分の元から
いなくなってしまうかもしれない恐怖心は
トラウマのように常にある。
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