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「今の内田の副編集長のポジション、
あなたを推薦したいって思ってるの。」
「え?もし正社員になったとしても
そんな大役私に務まるでしょうか。」
「あなたじゃなきゃ務まらないわ。
内田もあなたがいいって言ってるのよ。」
「内田さんが・・・。」
「ええ。考えてちょうだい。
もしあなたがダメな場合は
早く新しい人を探さないといけないし、
返事は早い方が嬉しいわ。」
「分かりました。
家族に相談してみます。」
正直、沙織にとって、
飛び跳ねたいほど嬉しい話だった。
結婚を機に、パートになってまで続けたかった編集職。
パートになったことで、出世は諦めていたのに
こうやって自分を必要だと言ってくれている。
正社員になったら、
いつものように5時に家に帰ることは出来ない。
週末の出勤も多くなる。
義昭は出張が多いし、
子供たちはまだ小学生、
そして、蒼弥との時間も大切にしたい。
全てが欲しいなんて
都合がよいことは沙織は
重々にわかっているけれど、
欲張りになってしまう。
◇
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