第15章:幸せに近づく

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「今の内田の副編集長のポジション、 あなたを推薦したいって思ってるの。」 「え?もし正社員になったとしても そんな大役私に務まるでしょうか。」 「あなたじゃなきゃ務まらないわ。 内田もあなたがいいって言ってるのよ。」 「内田さんが・・・。」 「ええ。考えてちょうだい。 もしあなたがダメな場合は 早く新しい人を探さないといけないし、 返事は早い方が嬉しいわ。」 「分かりました。 家族に相談してみます。」 正直、沙織にとって、 飛び跳ねたいほど嬉しい話だった。 結婚を機に、パートになってまで続けたかった編集職。 パートになったことで、出世は諦めていたのに こうやって自分を必要だと言ってくれている。 正社員になったら、 いつものように5時に家に帰ることは出来ない。 週末の出勤も多くなる。 義昭は出張が多いし、 子供たちはまだ小学生、 そして、蒼弥との時間も大切にしたい。 全てが欲しいなんて 都合がよいことは沙織は 重々にわかっているけれど、 欲張りになってしまう。 ◇
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