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「この間、撮影の詳細を聞くために
内田さんに連絡した時に入院したって聞いて、
代わりに沙織の電話番号教えてもらったんだ。」
少しずつ増す蒼弥の喋る速度と熱量に、
沙織は反射的に顔を上げた。
蒼弥は今も昔と変わらず
しゃべる際は沙織の目一点だけをまっすぐに見つる。
怖いくらいに強いその眼差しに緊張が走る。
「でも、お前勝手に切って、
着信拒否しただろ?」
声の温度は一気に下がり
送られる視線も凍るように冷え、
沙織の背筋はブルッと震えた。
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