第2章:それぞれの不満

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「もう食べ終わったの? 変わらず早食いだな。」 蒼弥が戻ってきた頃には 沙織は既に食べ終えてしまっていた。 トレーに乗った 卵サンドとアイスコーヒー。 それを見た瞬間、 沙織は思わず微笑む。 「先輩も、変わらないですね。」 大学の時も いつもこのセットを 頼んでいたのを思い出したからだ。 「まー・・・ 一度好きになったら、ずっと好きだから。」 蒼弥は沙織の目をじっと見つめ、そう微笑んだ。 沙織はその視線が少し怖くて、 緩んだ顔を引き締め、 温くなったキャラメルマキアートを一気に飲み干した。
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