第2章:それぞれの不満

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次の日の朝 麗華に叩き起こされた蒼弥は 出勤する支度をした後、 麗華に頼まれインスタ用の写真を撮らされていた。 毎日のように白壁の前でポージングする麗華の写真を 50枚ほど撮らさせられる。 別にどれだっていいじゃん、 あとで加工するんだし、と思っていても 断る方が面倒くさかった。 朝食などは もちろん用意されてはいないので、 六本木ヒルズへの道中、 いつものようにコンビニで おにぎり2つと缶コーヒーを買った。 そんな中オフィスに着く直前、 麗華からのラインが入った。 「さっき言うの忘れたけど、 今日排卵日だから早く帰ってきて。」 2歳の長男繋がりのママ友達が 次々と第二子を懐妊し、麗華は焦っていた。 ここ数ヶ月毎月排卵日になるとこのラインが入る。 一人目は計画しなくても簡単に妊娠したのに、 と苛立つ麗華に対し 蒼弥は全く欲情できず毎月のこれがきつかった。
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