プロローグ

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そんな挙動不審な様子に 「大丈夫?」 と、 ベッドを挟んだ場所で ボクサーパンツを  履いている途中の沙織の夫である義昭(よしあき)が 心配そうに沙織を見る。 「あ、うん、ただの間違い電話だった。」 「ふーん、そっか。」 義昭は何も疑うことなく、 「えっと、半袖のパジャマはここにしまってたっけ。 朝は寒いのに夜は暑いんだよな」 と、独り言のように言い タンスを漁った後、 まだ5月なのに半袖のパジャマを身につけ 夫婦の営みでしわくちゃになったシーツを整え、 ベッドに入った。 沙織も電話の電源を切ると、 長袖のパジャマの袖に腕を通す。
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