第10章:それぞれの月曜日①

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「六本木ヒルズのバーでビジュールの人に スカウトされたらしいよ。」 「そうなんだ。」 「あと、ビジュールに河本さんって編集者がいるんだけど、 その人と大学の時の知り合いとか、言ってたかなー。 でも羨ましいなー。 麗華ちゃん、あんなかっこいい旦那さんー!!!」 「そうかな。家のこととか何にも出来ないよ。」 「そこは麗華ちゃんが出来るからいいじゃん。 インスタに載ってるおうちの写真も いつも綺麗で素敵だし。 ご飯もいつも美味しそう。」 「ありがとう。」 麗華はインスタで自分を 家事もちゃんとこなすママアピールをしtりる。 けれど実際は 家の写真を撮るときだけ 家事代行を頼んで掃除をしてもらったり 食事はお惣菜を 高級な器に 綺麗に盛り付けているだけだ。 「そうそう! 風間さんとは 今度また、撮影一緒になるみたい。 よろしく言っといてー。」 「え!?それ、いつ、どこであるの?」 麗華の焦った表情に、アリスはびっくりして、 咄嗟にポケットに入っていたスマホを開いた。 「えっとー、今週の土曜日朝の7時から二子玉川公園だって。」 「分かった。ありがとう。」 「見に来るの?」 「どうかなー。」 「ま、じゃ、メイク始めちゃおっか。」 「お願いします。」 麗華はスマホをチェーンバッグから取り出し カレンダーのスケジュールに 蒼弥の撮影日を記入した。
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