第5章:幸せとは

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小学生の頃から 身長はクラスで一番高かった麗華の夢は モデルになることだった。 そのため子供の頃から 何度も芸能事務所のオーディションを受けてきたが いつも不合格だった。 高校生になると アパレルショップで働き始め、高校生に人気のファッション雑誌の編集者から 読者モデルになってみないかと誘われた。 それから そこそこ雑誌にも出させてもらえた麗華は 学校では『有名人』として ちやほやされたが その中途半端な立ち位置は自分の中でいつも納得いっていなかった。 雑誌に載るくらいのスタイルと華やかさはあるものの 専属モデルにはなることは出来ない。 完全に認められていないというジレンマが いつも麗華を苦しめていた。 モデル体型を維持するために ずっと過激なダイエットを何度も繰り返してきている。 そんな麗華のようなモデルの卵はごまんといる。 その中から人気モデルになるためには何が必要なのだろうか? そう考えたときに、 『綺麗』なだけではなく、 『〜なのに綺麗』なモデルでなければダメだということを知る。 『バリキャリなのに綺麗』 『ふくよかなのに綺麗』・・・ 特に昨今は 『ママなのに綺麗』なことが 人々を惹きつけているよう。 そんなことに気づいた時に行った合コンで 出会ったのが蒼弥だ。 チヤホヤされ、モテまくり、 一見合コンを楽しんでいるように見えるのに、 どこかつまらなそうな印象で、 自分にしか興味なく 恋愛に冷めた自分と少し似ているかもしれないと 初めは親近感と興味を持ったが 高身長イケメンなだけではなく高収入で好条件な男の蒼弥は 自分のステータスをあげてくれるような ステータスの持ち主だったため、 すぐに欲しいと思った。 遊び慣れてそうで、 1回目のセックスまで漕ぎ着けるのは簡単だった。 けれどこのモテ男と関係を続けていくのは容易ではない。 麗華は『都合の良い女』を演じ 「またしたくなったらいつでも連絡して。」と 出会って即寝た後、自分の連絡先だけを渡した。 忙しい蒼弥にとって、 自分に恋愛感情を持たない ヤりたい時にヤレる女は楽だったため、 悪い気はせず たまったときには 麗華と会うようになった。
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