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鳥の色
この世界から青を取り戻すため、僕はこの世界を創った神様に会いに行くことにした。
遥か遠くの高い山。その頂上には、神様の住む天界までつながる塔が建っている。多くの人は、神様に会おうとその塔を登るそうだが、神様に会った者はいないと聞く。
そんな過酷な塔を目指して、僕は旅をしている。
塔のある山に行く途中、僕はある森で迷子になってしまった。
コンパスは狂ってしまい、針は北を指さない。
そればかりが、木に目印を彫っていたのだが、この森の木は生きているようで、移動をしてしまう。
今、どこにいるのかもわからず、僕は途方に暮れていた。
「どうした少年?」
僕に話しかけてきたのは、一羽の鳥だった。
見事な白い羽を広げ、悠々とした姿はとても美しく、僕の心を安堵させた。
「道に迷ってしまって……」
「それは、困ったな少年。ところで、どこに行く予定なのだろうか?」
「この森を抜けた先にある、天界につながる塔へ」
「ほほぉ。あの塔を登るのか」
鳥は、硬いクチバシに羽を当て、関心しているようなポーズを取る。
続けて、なぜと聞いてくるので、僕は祖母の話をした。
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