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「――ってことで、僕は神様に会って、この世界に青を戻してもらうんだ」
「そうか……。少年、この森から、私が出してあげよう」
「本当?」
「ああ、本当だ。しかし、一つだけ頼みがある」
「……お金なら、あまり持っていないよ」
ふっーとため息をして、鳥は首横に振り、僕に言った。
「金はいい。頼みというのは、私もその神様と会わせて欲しいのだ」
「え?」
「私の、この白い羽を見ろ」
「とっても綺麗だよ」
「ああ、綺麗だ。しかし、私は本来、こんな白い羽ではなかった気がするのだ」
「どういうこと?」
「この世界から、青がなくなってしまったように、私の羽の色もなくなってしまったような気がするのだ。毎日、水に映る自分を見ていると、果たしてこんな色だったのだろうか――と、自問自答を繰り返している。恥ずかしい話だが、私は自分がよくわからなくなっている。しかし、神様なら私の本当の色を知っているはずだ。だから、少年! 私も、神様のもとへと連れて行ってくれないか!」
この鳥も、祖母と同じように、失った色を求めていた。自分の色を失った瞬間から、鳥は自分がわからなくなってしまったと言う。
僕が青を知らないように、この鳥も自分がわからないのだろう。
それは、とても悲しいこと。
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