正しく!

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それからしばらくは何も無く たんたんと仕事をしていく日々だった。 (よし!今日も定時で上がれそう! 帰りにミスドで新作買って スタバの新作も買って帰ろうかな♪) そんなことを思いながらウキウキと 残りの仕事を整理していた時。 突然部長に呼び出された。 「泉!ちょっといいか?」 今更ですが、私の名前。 泉 鳴 (いずみ なる)といいます。 何故、呼び出されたのかわからないが 部長の顔色は怒った様子ではなく どちらかといえば困った顔。 「部長。なんでしょうか?」 (お願い!定時で帰らせて!) そう思いながら話しかけると大口の仕事を任せたいと言われて、私は空いた口が塞がらなかった。 なんでも、姉妹会社の方がゴタゴタしているらしく 大抵の取引が全てうちの会社に流れてきているとか。 それにしても今までやってきた仕事の中でも群を抜いての大口取引。 失敗は許されない。 そんな仕事を何故私に!? 驚きと不安が止まらない。 「あの・・・部長? 何故、私なんですか? もし、失敗すれば 会社の信用にも関わりますよね? だったら私よりもっと仕事ができる方の方が 良いのでは?」 不安が勝った。ネガティブ発言。 仕事だけに生きる! そう決めた自分は何処へ行ったのか。 そう自分自身にツッコミたくなる。 「これは芸能界が関わるデカイ仕事だ。 だからお前を推薦した。 わからないか?」 はい。さっぱりわかりません。 無言で首を傾げる私に 部長は静かにため息をついた後 少し大きな声で言ってきた。 「芸能界が関わる仕事なだけあって皆が 欲しがった仕事だ。 だが、その理由は 好きな芸能人に会えるかもしれない! とかそんな下らない発想ばかりだ! しかしお前を見ていると、 仕事はそつなくこなし、 他人の仕事のヘルプもできる。 逆に仕事へのやる気しか見えない。 欲が無さそうだし。 お前ならできる。そう思ったから 上にはお前で行くと伝えてある。 やれるか?」 (最早、やれ!って言ってませんか!? その言い方!!) 心の中でおもいきりツッコんでしまった。 我に返った私はこの仕事を受ける事にした。
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