期待

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煙草を吸い終わるとヤスは トイレと言って立ち上がった。 さっぱり行動が読めない。 考えがわからない。 困っているといきなり後ろから抱きしめられた。 「しよっか」 耳元で囁かれ、私は抵抗しなかった。 情事の最中、時々 右手を庇うような素振りをするヤスに 違和感はあったものの あの優しくて激しい快楽に 誤魔化されていった。 翌朝、早くにヤスは出ていった。 私はいつも通りに準備して出勤。 会社のエレベーターの中でヤスの噂をしている 3人組がいた。 離婚の噂をしていたが気になりつつも 自分の階で降りて行く。 オフィスでもヤスの噂で持ちきりだった。 「おはよーございます!」 と挨拶をすると真紀さんに腕を捕まれて 自販機コーナーに連れて行かれた。 何があったのか聞くと ヤスが今、離婚朝廷に入っていて、 今日休みだと聞かされた。 更には同じ仕事をした仲間として 何か聞いてないかと言われ 知らないと答えると社内の噂を教えられた。 「本城君もどっかの会社の 5股男みたいじゃなきゃいいけどねー。 噂は広がる度に大きくなるからさー。」 胸がキリキリ傷む。 頻繁じゃないし とか バレてないから大丈夫 とかそんなの関係なかった。 私達がしたのは立派な裏切り行為だ。
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