決戦

4/4
前へ
/4ページ
次へ
 本陣からは、  夏の終わりの風景に、騎馬隊が走りこむ姿が  霞んで見えた。    同時に、悪軍は全軍反転した。善軍を  取り囲む動きをする。奇襲を受けた神聖王  はついに悪軍に降る。    ゴシ・ゴッシーの八千騎は、今その数を  七千まで減らしていたが、それでも勢いは  全く変わらない。    善軍のホビット3姉妹は、ついに寝返りを  決意する。その状況を見て、次々と他の  少数部族たちも寝返りや降伏を決めていく。    一瞬勝敗が決したかのように見えたが、  ただゴシ・ゴッシー率いる無敵の騎馬隊を  止められるものがいない。 「新兵器を使いまする」  地獄のシウバ将軍が、重く進言する。   「よい」  エンゾが許可する。    アンデッド軍をゴッシーの騎馬隊が面白い  ように追っていく。ダークホビットの  リアン・フューミナリの騎影に気づき、 「全軍、追え!」  とゴッシー大将が指示を出す。    が、しかし、罠であった。  狭い谷合に引き込まれた白馬の騎馬隊は、  テツハウによる一斉射撃を受ける。  一般の飛び道具であれば、彼ら白馬隊の  戦士は簡単に避け、跳ね返すが、テツハウの  弾はステルスした。    白馬の騎馬隊は、あっというまにその数を  減らしていく。七千から五千、三千、  そして千を切る。   「全軍、追撃せよ!」  地獄のシウバ将軍が命じる。あたりには夕闇が  迫り、しばらくして虫の音が聞こえだした。     その後、ゴシ・ゴッシーの姿を見たものは  いない。遠方の国へ落ち延びたのか、それとも  自害して果てたのか。    そして、勝利したエンゾ・グラネロは惑星を  統一し、悪の屍皇帝を名乗る。その悪の  治世は、その後四千年続いたという。  
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加